【質問】風邪に抗生剤って効きますよね？

【回答】基本的には風邪に対して直接的には抗生剤は効きません。

風邪とは

　インフルエンザの記事を少し参照したいと思います。
keep-healthy.hatenablog.com
　このように風邪とはウイルス感染のことです。

抗生剤とは

　抗生剤は細菌に対して効果のある薬であり、直接細菌をやっつける能力をもっています。もちろんウイルスをやっつける能力はもっていません。つまり、抗生剤はウイルスには効かないということです。

例外的なこと

　ある抗生剤は細菌をやっつける能力だけでなく、気管支の炎症を取るような働きを示すものもあります。このような抗生剤は時によって風邪で投与されても効果を示すことがあります。

二次感染

　二次感染とか重複感染とも言いますが、ウイルスにやられている状態、いわば風邪の状態は抵抗力(免疫力)が落ちている状態です。それ故に重なるように細菌感染を起こすことがあります。
　実際の例をあげてみます。数日前から微熱があって咳が出てて体がだるくて、でも仕事も忙しいのでいつもと変わらずの生活でした。昨日から急に喉が痛くなってきて物を飲み込むのも辛く、熱は39度を超えました。このような結果は、最初は普通の風邪だったものの、後から細菌感染が起きたと考えられます。このような状況では抗生剤の処方および内服は必要になります。

検査

　根本的には、本当に風邪なのか細菌感染なのかは判別がつかないこともあります。それ故に抗生剤は割と安易に処方されてしまう事が多いです。ウイルス感染なのか細菌感染なのかは採血である程度判別できます。

項目	ウイルス感染(風邪)	細菌感染
白血球	正常～減少	増加
CRP	上がってもわずか	明らかに増加

耐性菌の問題

　では明らかに風邪の人に抗生剤を処方すると問題かどうかということです。抗生剤は投与すると、多かれ少なかれ耐性菌という、その抗生剤が効かない菌を発生させる可能性があります。耐性菌と抗生剤はいたちごっこであり、もしどの抗生剤も効かない菌が生まれようものなら非常に危険です。そういうことを発生させないためにも抗生剤の投与が全て良いとは限りません。