お医者さんに聞いてみたい病気の疑問

現役の医者が日常診療の中でよく受ける質問を簡単にわかりやすく説明していきます。

【質問】鼻血が出やすいですが血圧が高いからですか?

【回答】基本的に通常の鼻血と血圧の関係はありません。

鼻血について

 鼻血は通常、キーセルバッハと言われる部分の静脈が傷ついてもしくは切れて出血します。キーセルバッハとは鼻中隔のところにあり、静脈が豊富でありながら、静脈が浮き出ており損傷しやすい場所になっています。

血圧について

 血圧とは動脈の圧力の事を言います。

動脈と静脈

 動脈は心臓から血液を内蔵に送り出す血管で、静脈は心臓まで血液を戻す血管です。動脈の圧力と、静脈の圧力は全く別物であり、動脈の圧が高くなったとしても静脈の圧が高くなるということはありません。すなわち血圧が高くても静脈からの出血である鼻血が出やすいということはありません。

特殊な鼻血

 たとえば交通事故など大きな怪我で、鼻の動脈が切れて出血するようなことがあった場合は、血圧が高ければ高いほど出血はひどくなります。しかし動脈の損傷・出血はよっぽどのことがない限り起きませんし、起きるようであれば大量出血になりますので冷静に判断している状況ではなくなります。

鼻血の止め方

 少し話はずれますが、鼻血の止め方ですが、体は横にせず鼻をつまむようにギュッと握って約5~10分そのままでいてください。これはキーセルバッハの部分を圧迫止血するテクニックです。圧迫することによって止血させることは基本中の基本になります。また、横にならないことは、出血の状況を分かるようにすることです。横になるとのどの方に出血が回り込むだけで、実は大量に出血しているのにもかかわらず分からないという事態を防ぐためです。また、後頭部をトントン叩いたりするのは意味がありません。

症状や病状は人によって様々です。
一般的な内容を書くように努力をしておりますが、特殊な病状の人には当てはまらないものもあります。
参考程度に留めて見ていただけると幸いです。