お医者さんに聞いてみたい病気の疑問

現役の医者が日常診療の中でよく受ける質問を簡単にわかりやすく説明していきます。

検査でエコーとCTと何が違うのですか?

違うものです。それぞれの検査には長所・短所・得手・不得手があります。不得手の部分を別の検査で補うという感じですから、色々な検査を受けてもらうことがあります。

エコーの得意とするところ

 エコーとは超音波で内臓を観察する検査です。よく妊婦さんに対して赤ちゃんのチェックで使われます。これが意味するところは安全性が高いということです。基本的にエコー検査は無害ですのでどんな状況でもリスクなく施行できます。さらに、検査する側としては自由に機器(プローブ)を動かすことができるので、観察したいところを重点的にかつ連続的に見ることができます。しかしその反面、検査する側の能力によってうまく評価できることとできないことがあります。エコーは空気の多い臓器や空気がたまったとこより深い臓器を見ることには適していません。

CTの得意とするところ

 CTは放射線を照射して内臓を観察する検査です。最大のメリットは誰が撮影してもほぼ同じ画像を得ることができます。なので比較検討がしやすいメリットです。しかし、CTはスライス面と面の間に病変があったら(10mmずつのスライスだとして、9mmの腫瘍がスライスとスライスの間にピッタリ入っていたら)見つけられないということです。また、動いているものの撮影や、骨など硬いものの撮影には向いていません。

検査をするということ

 エコーやCTの検査が必要なときは、おそらく精密検査として行われることが多いかと思います。一つの病変を一つの検査だけで決定するということはできるだけ避けなければいけません。なぜなら、これが誤診を招く可能性になるからです。多角的に物事を見ること、これは医療で非常に大事であり、色々な角度からみても全く変わりがなければ病気を見つけることは難しくありません。

症状や病状は人によって様々です。
一般的な内容を書くように努力をしておりますが、特殊な病状の人には当てはまらないものもあります。
参考程度に留めて見ていただけると幸いです。