【質問】人間ドックはなぜ健康保険がきかないのですか?
【回答】健康保険は病気の疑いがある、もしくは病気がある人に対して使われます。人間ドックは病気を疑わなくとも行う検査だからです。
自覚症状や検査異常
たとえば、息苦しいとかどこかが痛いとか、こういう自分だから分かる症状のことを自覚症状といいます。自覚症状は病気のサインの事がありますから、自覚症状に対する精密検査については健康保険による保険診療が可能です。ただし、医学的に必要と思われる検査を施行するのが条件ですので、医師主導と言えると思います。「ついでに血液型を調べてください」などという用件は健康保険ではできません。同じように、検査で異常を認めた時も病気のサインであることがありますから、健康保険で保険診療が可能になります。
健康診断と人間ドック
これらは特に自覚症状が無くても行う検査です。つまり、患者主導の検査と言えると思います。それ故に、人間ドックにいたってはピンからキリまで値段設定があり、それこそホテル宿泊のような形で施行されるドックもあります。これらは健康保険がきかず、自費で行うことになります。
完全に分けることが出来るかどうか
では実際に、保険診療と自費診療を厳密に分けることが出来るかというと、なかなか難しいケースもあります。例えば、「叔父さんが膵臓がんで亡くなったので心配だから膵臓の検査をしたい」これは自費診療でしょう。完全に患者主導であります。しかし、「たまに背中が痛くなることがある」と言えば、膵臓からくる自覚症状の可能性もあり、保険診療で膵臓の検査ができます。これってすごく微妙ですよね。